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黄昏流星群「大人の恋ストーリー大賞」

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七月のお話。
愛読している漫画ビッグコミック・オリジナルに連載している弘兼憲史『黄昏流星群』が連載300回を記念して「大人の恋ストーリー大賞」の作品を募集していた。
募集テーマは「携帯電話」で、エッセンスを散りばめた1000字以内との条件だった。
未発表であれば、プロアマを問わない門戸を広くした募集。
愛読している『黄昏流星群』だったので応募することにしました。
他愛もない展開ですが・・・。
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台風が過ぎ去るこの時期は、アジを追ってワラサが登場する。ポイントを探しに夜の日本海に船を出した。降り注ぐ満天の星を眺めながら鼻歌気分で探っていると、携帯から閃光が走り着メロが鳴りだした。
知らない番号であったが、釣り予約の電話かも知れない。
携帯を耳に当てると、優しい声で、しかも懐かしい声が響いてきた。
「こんばんは。和範さん!お元気でしたか?」
「初枝です。もうお忘れになったのかも知れませんね。」

私と初枝は20年前までは結婚を前提で同棲していた。しかし生活する意見が少しずつ食い違いが起きてお互い背を向き合い別れた。主張するばかりで余りにも若い二人だった。
別れた私は都会を離れ、実家のある日本海沿岸の田舎に戻ってきた。魚市場で働いて割烹屋の娘と結婚したが離婚した。独身になり50歳を過ぎて漁師への憧れ が強くなり人生の荒波に立ち向かいながらも、海への情熱は衰える事がなく、船舶の免許を取得し念願の45フィート14人乗り6.5トンの遊漁船を手に入れ 釣船の船長として生活をしている。人気も上々である。釣り客の安全第一に考え、天気予報と潮見表を日夜ニラメッコしている毎日である。

忘れたわけではないが、初枝との思い出は流れ星のように一瞬で消え去る運命だったのかも知れないが、愛し合った二人は長い年月をかけた沈黙であったが初枝の声が蘇ってきた。

時を経て初枝の声に少しも変化はなかった。
星空を仰ぎ見ると幾つもの星が流れ、錨を下ろし波に漂う甲板の上で懐かしい声に聞き入っていた。初枝は、ここ1週間立て続けて私の夢を見たと云う。私の身 に何かあったのかも知れないと思い手帳を探り、友人に電話を入れて、私の携帯番号を聞くに至り、家庭の主婦でありながらも居ても立っても居られず携帯の番 号を押したと云った。
「元気で良かった」「とても心配だった」
取り止めもない話が続いたが、仲良かった昔が偲ばれ、目頭が熱くなった。忘れ得ぬ初枝の声も、いつしか涙声に聞こえて来た。
「いつか会いたいね」
「うん!会えると良いね」
これ以上、話をすると大声で泣きそうだった。しかし、このまま携帯を切ると、二度と会えないような気がした。それは、二人して同じ思いだった。
「佐渡は近いの? 佐渡に行きたいなぁ」
「ねぇ!満月の夜に船で佐渡まで連れて行って・・・」
早速、船舶手帳にある月齢を眺めて満月を探し始めた。
離れ離れの20年は、あっという間の20年であったのか、空を見上げると北の空にはカシオペアが現れている。
握りしめた携帯に星が降っているようだ。

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妄想もここまでですね。やはり天変地異が起きても作家にはなれないようです。

発表がありました。
大賞(100万円)1編と佳作(10万円)2編が発表になりました。
100万円を手にされた方は神戸市在住の方に決まりました。おめでとうございます♪
さてと、私の作品ですが、3755通の応募作品の中の1通であるわけですが
1次審査でも通れば良いかなと思って出した作品でした、どの程度の評価を受けたのかどうかは不明です。
しかし、最終選考において、予想を遥かに超える多数の応募に「弘兼特別賞」として50篇を発表するとのこと。果たして・・・その50篇に入っているのかどうか、2月中旬に弘兼氏の直筆サイン入りの本が送られてきたら入選と云うことになるようです。
たぶん、この程度のストーリーでは無理だとは思いますが、初めての投稿で面白かった。

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コメント

美しい星空が目に浮かぶようですね。これをステップに色々チャレンジしてみてください。

投稿: うてきなぷりぱ | 2009年12月25日 (金) 22時01分

cancer
うてきなぷりぱ さん こんばんは。

なかなか稚拙な雑文は小癪にもココログで迷惑を掛けています。

投稿: いもがらぼくと | 2009年12月26日 (土) 20時29分

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