« Lotus Blossom(蓮の花) Jazz | トップページ | 二年六ヶ月の刑に処す。 »

悪路を駆け抜ける

山を切り開いて造られた高速道路の走る東側には鮫ヶ尾城の城址がある。上杉謙信亡き後の跡目騒動で陣を張った景虎は裏切りにあって妻子ともども自刃して果てた。
甘言に夢を抱き、見る目がないと言えばそれまでだが自己保身による裏切りは世の常として枚挙にいとわない。

鮫ヶ尾城址にほど近い平野を見下ろすこの地は、晴れた日には遠くには北アルプスの山々が見えるはずであるが・・・。
いつも霞がかかりぼんやりとした風景になっている、寒暖の差が激しいことを物語っている。
のどかな道に寄り添うように2メートル幅ほどの小川が流れている。
時代を遡れば、ひと昔前までは雪解けの清流としてメダカやクチボソが住みかとして泳ぎ、子どもたちの格好の遊び場ではなかったかと思われるが、いまでは小川の土手に雑草が生い茂り覗き込むことが憚れるが、雑草も景色と化している。
石で造られた橋を渡ると、左手には手入れが行き届いた花壇が広がり、雑草が刈り取られている。右に目をやると広い畑にはシシトウに長ナス、トマトにキュウリと丁寧に作付けされ、頭をタオルでギュっと絞った10人ほどの方が篭を手にして収穫に忙しい。

T_img_0964

大掛かりな味噌を作る設備が整っているワークスに顔を出す。
見慣れた自転車が目に付きました。
有名人です。
自転車の持ち主を探したのですが味噌工場に入っていて仕事中とのことで許可を得て自転車だけをカメラに収めてきた。
雨の日も、雪の日も彼は自転車に跨り、どんな悪路にも厭わずひたむきにペダルを漕いでいる。遠くは妙高の端の地区から車の往来の激しい国道をわき目を振らずに漕いでいる姿をよく目にする。
雪道を走る天才でもある。雪に馴れた地元の方も雪道での自転車は怖くて乗ることを避けるのに彼はひたむきに前へ前へと見据えて漕いでいる。
彼に始めて会ったのは、もう5年も前のことである。
かなやの里に仕事で出向いた時に、下の方から派手な看板を背負った自転車が近づいてくるのが分かった。
彼は笑顔で頭を下げると授産所の仕事場に向っていった。
その日から、屈託のない笑顔と動く広告塔として自転車の回りをチラシで埋め尽くした飾り物をいたるところで出会うことになる。

ある人は・・・。
こんなに真面目な子を見たことないと、どんなに雪が降ろうが雨が降ろうが、どんな悪天候でも自転車に跨り約束通りに仕事に来る。

T_img_0968

彼の働く「かなやの里」は。
見晴らしの良い高台にあり三つの棟に分けられている。
その中にある療護園には重度の障害を持ち在宅での生活が出来ない方が入所されている。更生園には支援を必要として、18歳以上で知的障害のある方が入所されている。伺うたびにラジオ体操のさなかで元気に体を動かし、笑顔で挨拶される方もいらっしゃる。笑顔の中に澄み切った目が広がり心が和む思いがある。
通って来られる授産所もあります。知的障害の受託施設ワークス。
畑を管理、収穫、販売を手がけるのは授産所のみなさんです。
「かなやの味噌」として味噌作りも盛んで県内の物産展でも販売されている。

|

« Lotus Blossom(蓮の花) Jazz | トップページ | 二年六ヶ月の刑に処す。 »

人間ウォッチング」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« Lotus Blossom(蓮の花) Jazz | トップページ | 二年六ヶ月の刑に処す。 »