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泉鏡花の世界

兼六園を散策する。

兼六園の苔が好きで苔ばかりカメラを向けていたことがある。
有名な雪吊りの周りには人だかりがしていますが、梅園には、まだ人もまばらです。紅梅・白梅が咲き始め人々の心を和ませている。

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この地、金沢と云えば師匠(尾崎紅葉)の諫言にも耳を貸さず芸者桃太郎と世帯をもった泉鏡花の出身地。師匠の尾崎紅葉に「女を取るか、おれを取るか!」などと、詰問された。新派の十八番である婦系図は自身がモデルかな。反対された結婚であったが師匠の尾崎紅葉を終生にわたり慕い続け、尾崎紅葉死去後の葬儀は陣頭指揮して弟子の役目を果たしている。
尾崎紅葉は泉鏡花の才能に嫉妬したと云う説もある。

そんな物語を念頭に置いて・・・


紅梅・白梅がチラホラと咲く庭園を散策される熟年カップル。

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ご夫婦とは思えないよそよそしさで、微妙な距離を保たれて歩いています。
それとも会話のない冷え切った夫婦なのであろうか。
これがまた偶然にも行く先々が同じで、じっくり観察。

団塊の世代と思しき紳士はコーディロイのブレザーに身を包み、高級カシミヤで作られた長いマフラーを首に巻き中小企業の経営者タイプ、いや評論家タイプかな・・・。婦人はと云うと、痩身な体に、太いラインの入ったニットに衿の大きいツィードのジャケットをさりげなく着こなしている。
大事なバッグを手に持っている。
はじめてのデートでなんだかぎこちない様子。

再婚同士で結婚相談所でお見合いをして、今日がはじめてのデート。そんな感じもする。
肩を並べて談笑することもなく、距離を保ちつつ時おり話しかけられての受け答えをされている。
紳士が、ベンチにでも座りましょうか・・・。
先に座った紳士の横にバッグを置いて微妙な間隔で座るご婦人。

「オイオイ!お互い好きだったら隣にくっついて座ったらどうか!」と、云いたくなる煮え切らない距離を保っている。時おり、ご婦人が携帯を耳に当てる。
結婚相談所のマネージャーか、それとも先夫とのあいだに生まれた子どもから激励の電話かな。
「どう? 話は弾んでいる? 上手くいきそう?」。
ご婦人は苦笑いをしている。

それとも、昨夜は加賀温泉で一泊されての兼六園であろうか。
相性が悪かったのかな・・・。

いや、それとも
紳士は不倫で、業を煮やしたご婦人が私のことをどう思っているのよ!と、昨夜は喧嘩をした。「別れよ、切れろは、付き合う前の若い時に云って」などと
その喧嘩が尾を引いてギクシャクした関係になってしまった。

いやいや、それとも
紳士・ご婦人とも世に云われるW不倫で、「もう別れましょうか・・・」いや別れたくない!だったら一緒に死んで!と、「東尋坊でも行きましょうか・・・」の決断を迫っているのか。

・・・と、大好きな妄想が膨らんでの楽しいひとときです。

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この兼六園は、日本橋時代に泣いて別れたにっくき場所でもあります。

2年ものあいだほぼ毎日欠かさずに手紙をいただいたが、妹としての感情しかなかった。
お茶を飲んだり、食事をしたりのお付き合いは続いたが、彼女は会社を辞めて郷里の金沢に帰った。
それでもなお、手紙の交流は続いた。そんなある日、突然に「この度、お見合いで結婚することになりました。このお手紙が最後になります」の手紙を戴いた。
読み終えた瞬間、心が破裂した私は、顔面蒼白になり、その日のうちに金沢に行き自宅を尋ねた。
ご両親もお見えになって、決断しなかった私の心の中を責めることもなく・・・長いことありがとうございました。となった。
その夜は、お父さんを交えて別れの盃となり飲み明かした。
そして、次の日に兼六園で、彼女が苦労しながらはじめて縫った浴衣を渡された
ベンチに座り、二人して顔は涙でクシャクシャになりながら・・・・・・・。

そして別れた。

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いまどうされているのかな。
この金沢ではチョットした家柄だと聞いていたが・・・
まぁ、これもきれいな良い思い出として残しましょう。

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