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手も足も出ない

友人といえば友人であるが、見知らぬ赤の他人に近い友人としておこう。

toyotaセルシオに乗っている彼は、セルシオに乗る夢が叶ったのでいつ死んでも良いらしい。セルシオと云えばチョット前まではトヨタの誇る高級車で、どこぞの親分やら、どこぞの兄貴と呼ばれる方が乗っていたようです。まぁ高級車の代名詞だったのでしょうか。
いまでは、セルシオは生産を中止しているので限定中古車のみが走っていることになる。

セルシオ好きの彼は夜の商売でシェーカーを振り続けている。
今宵も、カクテル好きな熟女をさじ加減ひとつで酔わせているのかも知れない。
そんな彼の言動で逸話には事欠かない。
その中のひとつに彼が高校を受験する際の話があって腹の底から笑い転げて涙がでてしまった。

市内には12校ほどの学校がある。種々雑多とでも云いましょうか、進学校をはじめ農工商の専門課程を含めて12校もあると選択肢が広がって面白い。特に今どきは農業高校を目指す人が多くなり倍率も高い。将来を見据えた選択が農業高校であれば頼もしい限りではないか。
彼はと云うと、残念ながら目指す高校が農業高校ではなかった。

都の西北早稲田の杜に・・・て、あるが、さしづめ、お城の西南神谷の杜に・・・と、なるのでしょうか
神谷にある高校の入学試験に望んだ。
試験は三科目(国・数・英)である。猛勉強したのであろうか、額にはうっすらと汗が滲み目がショボついていた。

Daruma

国語の試験がはじまった。
試験の問題用紙が配られると、研いだばかりの鉛筆を取り出し、トントントンと机を叩く。はやる気持ちが鉛筆に響いていた。「はじめ!」の掛け声に問題用紙を表に返すと、先ずは受験番号と名前を書いた。第一関門突破です。
「次の漢字にフリガナをつけよ」・・・読めなかった。
「次のフリガナを漢字にする」・・・書けなかった。
「次の文章を読んで、後の問に答えよ」・・・文章の意味が分からなかった。
一問も答えることが出来なかった。

次に数学がはじまった。
「分数の計算が出た」・・・理解に苦しんだ
「マイナス×マイナスは」・・・プラスに転じることはなかった。

英語の試験は。
「アルファベットで名前を書く」・・・書くには書いたが間違えていた
「This is a pen」・・・答えることが出来なかった。

彼にとっては長い長い退屈な時間であった。
午前中で試験は終わりホッとしていると、午後から面接が待っていた。

試験の成績は○点です。
それでも面接を受けさせてくれる奇特な高校であります。
そして・・・面接がはじまった。
長机には三人の面接官である教師が座っている。
受験番号・名前は・・・と、ひと通りの確認が終わると、

ひとりの先生が「どう!試験は難しかった?」
彼は「ハイ!難しくて、まったくできませんでした」
先生「そのようだね。勉強する気はある?」
彼「はい!」 返事だけはいっちょまえです
先生「高校に入って勉強したい?」
彼「ハイ!」
・・・で、合格が決まった。

この話は嘘だと思っていた。
彼の作り話であろうと思っていた。推薦以外の一般入試の高校受験に面接があるなんてあるわけ無い思っていたからです。それでも話が面白かったので腹を抱えて笑った。

ところが身近に別の高校であるが、数年前に食品栄養科を卒業した女性がいた。
あの○○高校の入試で、受験番号と名前だけを書いて入学した知り合いがいるんだ。と聞いたところ、私の学校もそうですよ。あの学校を落ちると、どこにも行けなくなる最後の砦ですから、全員に対して面接があるんですよ。わたしも面接を受けて合格したんです。そして調理師の免許を戴いたんです。(*^_^*)・・・でも料理は嫌いなんです。

○点でも面接を受けて高校に合格したのは本当の話だった。

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