沈まぬ太陽
「沈まぬ太陽」を観てきた。
山崎豊子「沈まぬ太陽」を読んでいたので期待に胸が膨らんだ。
小説の中では、激しい人間模様が鋭い描写となって続き、臨場感に溢れ必死に読んだことが昨日のように思い出された。そしてあれほどの長編小説が映画化できるのかと不安が交錯する。
映画は3時間を超えた。途中に10分間の休憩があったが、映画のなかで休憩が挟まったのはベン・ハーを思い出す。
始まるとすぐに
小説を読んでいない人とか、日航機御巣鷹山の遭難事故をリアルタイムのニュースとして身近に捉えていない人には意味不明のフラッシュバックで悩まされたことでしょう。
御巣鷹山の遭難事故と、労働組合委員長に降りかかる不毛の地への海外赴任と、どう結びつくのか分からない感じがした。
労働組合委員長恩地元(渡辺謙)が団交でスト決行を打ち出したことで要求を勝ち取る。将来を嘱望されていた恩地元は団交で勝ち得た勲章とは逆に人事差別を受け、就航したばかりのパキスタンのカラチを手始めにテヘラン・アフリカのナイロビと続く、ナイロビでは就航できるように政府との交渉に尽力を尽くすが、本社の意向で就航は見送られた。
本社から見放された恩地元はナイロビでの交渉が頓挫して日本に戻ってくる。そして国を揺るがした御巣鷹山の遭難事故に遭遇する。
恩地元は遭難事故で亡くなれた520人にのぼる遺族の方々へお世話係として接していく。
団交時に一緒に行動を共にした行天四郎(三浦友和)は、労組を裏切ることでエリートコースに乗って行く。恩地と行天は会社の行く末を案じながら共に闘ってきたが野望と野心を行天は、次第に権力を求めて政治家との癒着が日常となっていく。
恩田元委員長の下で書記長を務めた八木和夫役の香川照之の演技が光った。
まさに助演男優賞を差し上げたい。これほどまでに映画の質を高めている俳優はいないと思った。
映画「沈まぬ太陽」は、現実として、いままさに国を揺るがす問題となり、輝かしい鶴のマークは窮地に追い込まれた日本航空に過去の清算を求められている。
公開されたことで、国民に日本航空の負の財産としての暗部を曝け出しているようにも感じる。政官癒着の構図が随所に出てくる。
小説の中で広がった人間模様と心の葛藤は・・・残念ながら描かれていなかったように思う。3時間を超える映画であっても、小説の持つ広がりを描くことは難しいようです。全編を通して端折らざる得ない展開となっているようだ。表面だけを駆け足で走り抜けたようで
致し方ないのかも知れない。
日本航空の御巣鷹山の遭難事故は、金属疲労だとか、欠陥箇所の見逃しだとかいろいろと騒がれましたが、本当のところは、みんな有耶無耶に終わってしまったようです。
とある研究会でご一緒する方は、当事者である日航の幾つかある労組のひとつに加入されていた。12年前になるでしょうか、その方から研究会出席の折り、ある写真を見せて頂いた。内密にと云うことでしたが、もう時効でしょう。
その写真は、御巣鷹山に激突する寸前に飛行機の中から後方を写していた。
写真を良く見ると、飛行機に穴が開いている写真だった。
その方曰く
「良くご覧になってください」
「穴が開いている箇所は内側に折れているでしょう・・・」
「外から、何かの衝撃を受けたんですよね」
「中から爆発しての穴だったら、外側に折れるはずですよね」
この写真をどのようにして手に入れて、何を意味するものなのかと聞くのが
憚れた。大体想像はできたが・・・。
仮説が立ててみた。あくまでも個人的見解として。
「民間人を運ぶ飛行機と米軍の戦闘機は軍事優先で飛行高度が決められている」
「当域は米軍の演習区域で、仮想敵機として日航機はロックオンされてしまった」
「演習の米軍機は模擬弾であるはずが、何かの手違いで実弾が込められていた」
「常に自衛隊・米軍を監視している自衛隊のレーダーは日航機と米軍機を追っていた」
「日航機がレーダーから消えたことで色めきたった自衛隊はすぐに行動に移した」
「精鋭を誇る習志野空てい部隊が出動した いままでの遭難事故ですぐにパラシュート部隊が出たことはない」
「遭難現場を目視した空てい部隊は、すぐに落下してある物を探した」それは・・・。
こんな噂も流れていた。
時として、歴史は捻じ曲げられ真実は闇の中に葬られる














