映画

沈まぬ太陽

「沈まぬ太陽」を観てきた。
山崎豊子「沈まぬ太陽」を読んでいたので期待に胸が膨らんだ。
小説の中では、激しい人間模様が鋭い描写となって続き、臨場感に溢れ必死に読んだことが昨日のように思い出された。そしてあれほどの長編小説が映画化できるのかと不安が交錯する。
映画は3時間を超えた。途中に10分間の休憩があったが、映画のなかで休憩が挟まったのはベン・ハーを思い出す。

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始まるとすぐに
小説を読んでいない人とか、日航機御巣鷹山の遭難事故をリアルタイムのニュースとして身近に捉えていない人には意味不明のフラッシュバックで悩まされたことでしょう。
御巣鷹山の遭難事故と、労働組合委員長に降りかかる不毛の地への海外赴任と、どう結びつくのか分からない感じがした。

労働組合委員長恩地元(渡辺謙)が団交でスト決行を打ち出したことで要求を勝ち取る。将来を嘱望されていた恩地元は団交で勝ち得た勲章とは逆に人事差別を受け、就航したばかりのパキスタンのカラチを手始めにテヘラン・アフリカのナイロビと続く、ナイロビでは就航できるように政府との交渉に尽力を尽くすが、本社の意向で就航は見送られた。
本社から見放された恩地元はナイロビでの交渉が頓挫して日本に戻ってくる。そして国を揺るがした御巣鷹山の遭難事故に遭遇する。
恩地元は遭難事故で亡くなれた520人にのぼる遺族の方々へお世話係として接していく。
団交時に一緒に行動を共にした行天四郎(三浦友和)は、労組を裏切ることでエリートコースに乗って行く。恩地と行天は会社の行く末を案じながら共に闘ってきたが野望と野心を行天は、次第に権力を求めて政治家との癒着が日常となっていく。

恩田元委員長の下で書記長を務めた八木和夫役の香川照之の演技が光った。
まさに助演男優賞を差し上げたい。これほどまでに映画の質を高めている俳優はいないと思った。

映画「沈まぬ太陽」は、現実として、いままさに国を揺るがす問題となり、輝かしい鶴のマークは窮地に追い込まれた日本航空に過去の清算を求められている。
公開されたことで、国民に日本航空の負の財産としての暗部を曝け出しているようにも感じる。政官癒着の構図が随所に出てくる。

小説の中で広がった人間模様と心の葛藤は・・・残念ながら描かれていなかったように思う。3時間を超える映画であっても、小説の持つ広がりを描くことは難しいようです。全編を通して端折らざる得ない展開となっているようだ。表面だけを駆け足で走り抜けたようで
致し方ないのかも知れない。

日本航空の御巣鷹山の遭難事故は、金属疲労だとか、欠陥箇所の見逃しだとかいろいろと騒がれましたが、本当のところは、みんな有耶無耶に終わってしまったようです。

とある研究会でご一緒する方は、当事者である日航の幾つかある労組のひとつに加入されていた。12年前になるでしょうか、その方から研究会出席の折り、ある写真を見せて頂いた。内密にと云うことでしたが、もう時効でしょう。

その写真は、御巣鷹山に激突する寸前に飛行機の中から後方を写していた。
写真を良く見ると、飛行機に穴が開いている写真だった。
その方曰く
「良くご覧になってください」
「穴が開いている箇所は内側に折れているでしょう・・・」
「外から、何かの衝撃を受けたんですよね」
「中から爆発しての穴だったら、外側に折れるはずですよね」

この写真をどのようにして手に入れて、何を意味するものなのかと聞くのが
憚れた。大体想像はできたが・・・。

仮説が立ててみた。あくまでも個人的見解として。
「民間人を運ぶ飛行機と米軍の戦闘機は軍事優先で飛行高度が決められている」
「当域は米軍の演習区域で、仮想敵機として日航機はロックオンされてしまった」
「演習の米軍機は模擬弾であるはずが、何かの手違いで実弾が込められていた」
「常に自衛隊・米軍を監視している自衛隊のレーダーは日航機と米軍機を追っていた」
「日航機がレーダーから消えたことで色めきたった自衛隊はすぐに行動に移した」
「精鋭を誇る習志野空てい部隊が出動した いままでの遭難事故ですぐにパラシュート部隊が出たことはない」
「遭難現場を目視した空てい部隊は、すぐに落下してある物を探した」それは・・・。

こんな噂も流れていた。
時として、歴史は捻じ曲げられ真実は闇の中に葬られる

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DVD「いつか読書する日」

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2005年の映画「いつか読書する日」について書かれているブログを読んだ。
情けない話であるが、映画音痴の私はこの映画の存在を知らなかった。
国内の映画賞のみならずモントリオール世界映画祭 審査員特別賞を受賞している事も知らなかった。
田中裕子主演の一途な大人の恋ストーリーです。

田中裕子のファンを自認していながら田中裕子の出演作を知らない私は間抜けな似非ファンであることに間違いないです、が、こよなくサントリーオールドをいとしみ日々水割りに溺れているので彼女のはにかんだ笑顔のCMに惚れたのかも知れません。

映画に疎くて寝る暇を惜しんで映画を観ようなどとは思っていない。映画か昼寝かの選択があれば文句なしに昼寝を選んでしまう。
お盆の連休。昼寝を中止して近くのレンタルビデオ店に足を踏み入れる。
邦画コーナーの片隅に「いつか読書する日」は1本だけ並んでいました。
早速に借りようと会員カードを提出すると、「お客さま、期限切れです!」えぇ~そうなの。会員カードは作ったが、いかにレンタルビデオ店に足を運んでいないか分かる。
会員カードの継続料300円と「いつか読書する日」レンタル料金100円の400円を払って外に出る。
すぐに観たかったが、1時30分からは「たかじんのそこまで言って委員会」が控えているので3時までは過激な発言を笑いながら観た。覚せい剤で逮捕された酒井法子が性根が座り落ち着き払った計画的行動との発言に、人は見かけに寄らないことが浮き彫りになったことが収穫だった。

そして
「いつか読書する日」を観た。
狭くて階段ばかりの坂のある長崎の街が舞台です。
両親を亡くし、独身のまま50歳を迎えた大場美奈子は恋をしている心を大事に守り通している。吐露したくなり息苦しくなる事もあるがジッと耐えている。
早朝の牛乳配達と昼間のスーパーのレジ係で生計を立てている。なかでも牛乳配達を生き甲斐とする美奈子は、牛乳を配達する先に心ひそかに思慕している高梨槐多の家がある。
その槐多とは、高校の同級生でお互い初恋の人で淡い付き合いがあった。恋として育んでいた想いも、ある出来事があって一変し疎遠になるが、美奈子は一途に槐多を想って来た。
飲めない牛乳を取っている槐多も美奈子を想う気持はあるが、末期がんに冒されている妻、容子を大事にしようと看病に努めている。
妻の容子は槐多と牛乳を配達している美奈子は、お互いが惹かれあっている事実を理解する、その上で燃え尽きる命を前に槐多と美奈子が付き合うことを懇願する。

美奈子は悶々とする心のうちをラジオ番組に投稿する。
「私には大切な人がいます。でも私の気持ちは絶対に知られてはならないのです・・・」
容子はこのラジオ番組を聴いて確信する。希う気持は益々強くなっていく。

容子が亡くなり、痴呆老人を探すシーンがあります。
30年以上も同じ地域に住みながらお互いがお互いを想いながらも黙殺してきた二人が出会う瞬間です。「カイタ~~~~!」と叫びます。
離れていた糸が結ばれた瞬間だったようにも思います。

チョット付き合って!と美奈子は槐多を誘います。
お互いが疎遠になった経緯を話し誤解が解けるのです。燃え上がる恋を感じるひとこま
降りしきる雨の中を美奈子の部屋に戻って来ます。堰を切ったように想いがひとつになって行きます。深い心の奥に閉じ込めていた思いの丈をぶつけ合うのです。
「いままでしたかったこと、全部して…」
この愛が永遠に続くと思われた。
美奈子の部屋にあるたくさんの蔵書が愛を確め求め会う二人を静かに見守っています。
★★★を進呈。

美奈子が「カイタ~~~~!」と叫ぶ瞬間は、槐多と云えば村山槐多をおいて他を知りません。気持がダブってしまいました。

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劔岳・点の記・・・映像が素晴らしい

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どうしても観たかった「劔岳・点の記」を観てきました。
混むといけないと思って平日の1時開演を選んだのですが、これがまた、満員とまでは行きませんが、客席はほぼ埋まった状態でした。これほどとはビックリしました。
老若男女、半々と云ったところでしょうか。

新田次郎「劔岳・点の記」は夜行列車に乗って盛岡まで揺られていた時に読んだ。過酷な条件の中で、ただ地図を作るためだけ・・・。
今にも、絶壁から落ちていくような文章がありドキドキした。心が揺さぶられる熱き想いがこみ上げてきたことを昨日のように思い出します。
・・・だから、どうしてもこの映画は観たかった。

明治40年、時の日本は日露戦争に勝った勝ったまた勝ったと浮かれて提灯行列をやっているころの話です。克明な日本地図を作る中で、日本海立山連峰「劔岳」だけが測量できなく地図の空白地帯となっていた。
立山信仰の聖域として登山が許されない「死の山」と恐れられていた。劔岳を陸軍の面子を掛けてでも、初登頂を行い測量することを命じられた。陸軍参謀本部陸地測量部の測量手・柴崎芳太郎は、陸軍の威信をかけて初登頂と測量に向けて富山に向う。
剣岳には山を理解してよく知る案内人・宇治長次郎との二人三脚が始まった。
劔岳に登るアタックルートが掴めずに苦難を強いられる。
瓦礫だらけの切り立った尾根、雪崩や吹雪・それに暴風雨に悩まされ、測量隊の行く手を阻む。
信仰の対象となっている劔岳に向って拝む謎の行者を助けることで、行者の謎めいた言葉「雪を背負って登り、雪を背負って降りよ」が登頂のヒントになった。

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素晴らしい映画で感動しました。
カメラマンとして50本の映画のカメラマンを務めてきた木村大作氏の監督処女作です。
さすがにプロのカメラマンです。天才だと思いました。
過酷な自然に挑戦する人々を包み込む雄大で温かくも厳しい自然はなんて素晴らしいのでしょう。
こんなに四季のある自然ってきれいなんだ・・・
映像を観ているだけで感激のあまり涙が出そうになりました。
叩きつけるような吹雪のあとに見る雲海とか雲海に顔を出す富士山がきれいです。
ご来光があったり、雪崩があったり、人を寄せ付けない雪の劔岳が目の前にそびえます。
言葉では言い尽くせない映像の素晴らしさがあります。

また、音楽が素晴らしい。
すべての楽曲を当てることはできませんが、ビバルディ「四季」とか、G線上のアリアが流れ引き立てていました。
また、観に行きます。
この映画は、苦難の末に剣岳に登頂して測量で必要な三角点を設置しただけの地図作りの話だけではなくて、四季折々の映像の素晴らしさがあります。
目に焼き付けるまで観に行こうと思っています。

初登頂を目指して競い合った、陸地測量隊と日本山岳会は登頂を祝って手旗信号でエールの交換を行う場面があります。仲間と云った感じです。
手旗信号はできませんが、寺子屋時代遊びでモールス信号を習ったことがあります。
いまでも覚えているのは、・・・---・・・(トントントン ツーツーツー トントントン)
SOSの信号です。覚えておくと便利でしょうか(笑)

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グラン・トリノを観た

クリント・イーストウッド監督主演「グラン・トリノ」
25日封切の初日だけ使えるチケットを戴いた。
晩春だと云うのに、寒気が入り込み雨が降り続く・・・寒い。
そんな中、チケットが無効にならないように、グラン・トリノを観に行った。
上映1分前。見渡せば観客は8人、そのうちの2人は外人だった。

試写会後の評論を読んだ。 
● 終映後に力いっぱい拍手をしている人を見かけた。
● 泣けて泣けてたまらなかったという人もいた
● くすくす笑いが止まらなかったという人もいた。
● 俳優イーストウッドの集大成、との声は高かった
● 台詞の楽しさを堪能したという感想もしばしば耳にした
● B級テイストを全開させた佳作と指摘する人
● 「究極のスター映画」という見方も出ていた

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孤独な年金生活の頑固な老人が、朝鮮戦争に出兵したことがトラウマになっているが、兵役後はフォードの工場で車を作っていたことを誇りに思っている。
マイスターとしての拘りなのか

アメリカには、それぞれのお国の人たちが集まり、住んでいるカントリーエリアがある。この地域には、ベトナム戦争でアメリカに協力したラオスのモン族が住んでいた。隣に住むモン族の勝気な姉と臆病な弟と出会い、心が癒され、心を許していく。
同じモン族の不良たちに姉弟は平和を壊される。
心を通じ合えた友人たちの持続した平和が来るように頑固な老人は立ち上がる。
計画は綿密に練られた。
トラウマを打ち消し限られた命を捧げるように・・・。
藤沢周平が描くところの武士道に相通じるものがある。

ギュッと搾り出した一滴の浄水は勇気だった!★★★

グラントリノ・・・フォードの名車。

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山田洋次監督「母べい」を観た

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山田洋次監督「母べい」を観た、と云ってもレンタルDVD。
野上照代氏の自叙伝「母べい」の映画化。

久し振りにビデオ1に顔を出し、山田洋次監督「息子」を探した。
二度ほど観た「息子」をもう一度観たいと思って探していると、吉永小百合主演の「母べい」が10本ほど並んでいて、殆どがレンタル中だったので残りの1本を手に取り、籠に入れた。
期待した「息子」は在庫がなかったのか、それとも、見つけることが出来なかったのか、店員に聞く事もせずに「母べい」を借りてきた。

サユリストの端くれでありながら吉永小百合の映画と云えば、「泥だらけの純情」「霧笛が俺を呼んでいる」「キューポラのある街」しか観ていない。ファンでありながら肝心の映画を観ていないなんて、ファンを自認するみなさまからは、エセサユリストと罵声を浴びること間違いはないようです。
2級上の先輩が早稲田に入り、吉永小百合と学食で隣り合わせになったと喜んでいた。それに握手までして来たと・・・食事中なのに何と無礼な先輩であろうと思うが羨ましい限りです。また、吉永小百合が酔いに任せて作ったとされる戯れ句があるが、発表するには憚れる。

物語はと云うと・・・。レンタルDVDなのでネタバレOKと云うことで

ドイツ文学者の父の発案で家族の名前に「べい」とつける事が決まった。
父べいであり母べい、子どもたちはお姉さんが初べいで妹が照べいと呼び合う仲睦まじい4人家族を襲った嵐が描かれている。

時は、日中戦争が泥沼化して、太平洋戦争へと向かっていく昭和15年。
日本大学を追われて著作業を生業にしている父の著作が厳しくなった治安維持法違反で特高に連れて行かれるところから話は進んでいく。
父を信じて、警察に日参するも面会が許されないところに、父べいの教え子で出版社に勤める山ちゃんが登場して面会できるように、あらゆる手を尽くしてくれる。
母べいの実家の父は警察署長を歴任していて、父べいは国賊としての思想犯だから思想転向するように説教し、尚且つ離婚して田舎に戻るように説得するが、父べいを信じる母べいは頑として拒否する。

優しくしてくれる町会長の伝手で小学校の代用教員となり生計を立てるが、厳しい代用教員は薄給、しかも子ども二人を抱えて、生きていくのは大変な時代。
父べいを信じる人たちの支えがあって、家族は強く生きていく。父べいとは検閲され黒く塗り潰されながらも手紙が唯一の拠り所で、心を通い合わせる手段になっている。手紙をいつも楽しみにしている。

獄中にいる父べいの唯一の楽しみは読書。
ドイツ語の専門書とかトルストイ「戦争と平和」との差し入れを希望する。学者はあらゆる本に書き込みがしてあるのですね。書き込みがしてあると差し入れが出来ないので、みんなで手分けして消しゴムで書き込みを消す作業風景がある。
書き込みが万年筆でなくて鉛筆で良かった・・・。

その父べいも太平洋戦争に突入した翌年の雪のちらつく日に獄中で亡くなる。世は戦争真っ只中の試練です。美大に通いながら、面倒見てくれた父べいの妹も広島の実家に戻り、原爆の被害を受ける事になる。
父べいのいない家族を大きく包み込み、家族同様に助けてくれた父べいの教え子山ちゃんにも赤紙が来て戦地に赴き、戦後に悲報を耳にする。

戦争が起きて、強制的に金銀の供出を求め、飲まず喰わずの生活を強いているのに
警察官である実家の父が出てきて家族を宴席に呼び出す、その時に、この場所は警察が仕切っている料亭だから、一般の人が食べられないような牛肉でも何でもあるからいっぱい食べなさいと、すき焼きを用意する場面がある。

これが、乱世の世の仕組みなのであろう。
権力を握るものは、まさに当たり前のように極楽の生活をしている。
国民が泣き叫び、餓死しようが、権力に追随するものは欲望を満たしている。
夜逃げした他人事総理の福田ちゃんは1泊130万円の部屋に泊まって、どんな心境だったのか・・・。130万円と云えば年収に近いぞ・・・。

いつの世も、まっとうな民衆は権力に踊らされ死へと急いでしまう。
支配熱に冒された野心的な権力者のおかげで戦争は悲惨を極める。
時折り涙が溢れてしまう。家族愛を感じる映画でした。
私なりに★★★です。

吉永小百合も出演した赤木圭一郎「霧笛が俺を呼んでいる」
カラオケに行けば、必ずこの1曲を歌います。下手な歌が上手く聞こえる。

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歓喜の歌

夜半から雨が降り続ける肌寒い日である。
映画のクオリティは良く分からないが、楽しい映画を観てきた。
身近に起きる悲喜こもごもの切なくも愉快な音楽コメディだった。
主演の小林薫は素晴らしい存在感ですね。
飄々としてるのは熟知した独特な上手さなのであろうと思う。

いつもの事ながら私の机の周りは乱雑に書類や本が積み重ねられ要領の悪さが現れている。嫌々ながらも、ようやく重い腰をあげて書類の整理を行うと、見たくもない請求書に挟まるようにして、映画案内の葉書が来ているのに気が付いた。
前回、長江哀歌を主催した映画鑑賞会からの案内だった。
長江哀歌は冷え冷えとした映画館でストーブを抱きながら見入った中国の現実だった。
その帰りにアンケートに記入して次回の案内を戴くようにチェックを入れていたので送られてきたようだ。
葉書には・・・。
映画鑑賞会 第148回例会『歓喜の歌』5月31日とあった。
気が付いたのは29日。急いで連絡を入れて前売り券の購入を予約して当日を待った。
上映会場を見てビックリした。前回の長江哀歌はエロ映画専門の100年の歴史を誇る雨漏りのする映画館であったが、今回の歓喜の歌は総合スポーツセンターのコンサートホールとなっている。
総合スポーツセンターにコンサートホールなんてあったのかな?と思いながらも出かけると、1階には50メートル級の温水プールにアイスアリーナがあり、ス ケート会場を覗くとスケートの選手であろうか、リンク内を背をかがめて滑っている。どこかの知事がスケート選手の練習風景を見て、ミズスマシのようだと無 礼な発言で顰蹙を買い、次の知事選で落選してしまったが、良く見ると確かにミズスマシのように見えるから不思議だ。

また、広い施設のとなりにはインドア競技ホールがあり、新潟県の高校体操競技が行われていて公式競技が出来ると書いてあった。
間近に見る鉄棒や吊り輪・床運動は見ていて緊張した。
昔日であるが、寺子屋でのクラブ活動を思い出してしまった。
そんな、スポーツ施設の挟まれるようにしてコンサートホールがあった。
これが、またりっぱなホールでフカフカの座席に音響設備も素晴らしく、座ると同時に眠くなった。それほどに眠りを誘うような座り心地だった。

1時30分上映時間が近づくと、続々と席は埋まり満席ではないが席の大多数は埋まったように思えた。この日、一日だけの鑑賞会で三回上映される。

主催者からの説明がありました。
「歓喜の歌」は落語家・立川志の輔の新作落語の映画化で今年2月にロードショーされた映画とのこと。このコンサートホールは16ミリの映写機しかなくて、 いつもの35ミリフィルムでの鑑賞会では使えないとのことがあり、この歓喜の歌は珍しく16ミリのフィルムがあったので都合が良かったなどと説明があっ た。
確かに16ミリフィルムは画面が小さいですね。
・・・小さな画面ではあったが良い環境で観れることは嬉しいことだ。
しかし、35ミリになると、また雨漏りのする映画館で上映されるようだ。


2001

さてと・・・ストーリーと云いますと
外人バーで女性に狂った無能な男が左遷され、吹き溜まりと云われる小さな町の文化会館の主任がこの映画の主人公。
暮れも押し迫った12月30日に一本の電話が掛かってきた。31日の夜に行うコンサートの予約の確認だった。主任が電話を受けて「はいはい、大丈夫です よ、お待ちしています」と調子よく応えたが、31日の夜に似たような「みたまレディースコーラス」と「みたま町コーラスガールズ」と二つのグループが予約 として入っていた。
大晦日の会場がダブルブッキングしていた事が分かった。
無能な主任は、お遊び半分のオバサンたちの暇つぶしだとタカを括っていた。
しかし・・・。
二つのグループもこの1年間必死に練習してこの日を迎えるのに、一歩も譲らない。
安定した職場で適当にやり過ごしてきた無能な中年公務員は、コーラスメンバーの方が必死に働き、ミスすると真剣になって謝る姿を見て、徐々に心が動かされる。
意を決して、合同でやりませんか・・・と折衷案を持ちかけるが、観客が多すぎる事で会場に入りきれないことが分かり、折衷案も暗礁に乗り上げるかと思いきや、入りきれない会場の図面を広げて、一夜にして座席を増やす事を計画して実行に移す。
やる気のない男がやる気を見せた。

まるで秀吉の一夜で造った墨俣城を彷彿させ
西欧では準備を整えて一夜ですべての幹線道路を壁で封鎖したベルリンの壁が印象的

コーラスのみなさんのきれいな歌声が流れます。
由紀さおりは、さすがに張りのある澄み切った美声です。

翼をください
ハレルヤ・コーラス
ヤン・ソング
聖前夜
竹田の子守唄
美味ギョーザ
ダニーボーイ
赤とんぼ
おきらく、ごきらく
お祭りマンボ
トルコ行進曲
あの鐘を鳴らすのはあなた
交響曲 第9番 ニ短調 作品125 第4楽章「歓喜の歌」

けっこう感傷に浸り感動的になります。
エンディングでクレイジーケンバンドの歌う「あの鐘を鳴らすのはあなた」は良かった。
本家本元の和田アキ子より雰囲気のある歌唱で良い感じ。
ちょっぴり涙もろくなりそうで、私なりに★★★★です。

小林薫は素晴らしい役者ですね。
人生の流転を演じられる好きな俳優です
・・・何度かあるところで同席したので云えるのかも知れないですね。

次回の映画鑑賞会は7月中旬にあるらしい・・・。

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ALWAYS 続・三丁目の夕日

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ALWAYS 続・三丁目の夕日・・・
人並みに、人気の「ALWAYS 続・三丁目の夕日」を観てきました。

前作「ALWAYS 三丁目の夕日」と、ビッグコミック・オリジナルの三丁目の夕日に
描かれているほのぼのとした漫画を期待したみなさん。
上映と同時に・・・
一瞬、次週映画の予告編かと思うかもしれない。 予告編だと思った私です。
特撮技術・VFXを得意とする監督ならではの憎い演出でしょうか。

ストーリーは前作に上書きしたような感は否めませんが、高度成長期を迎えた昭和34年が見事に描かれて心温まる人との触れ合いが、随所に散りばめられています。気が付くと涙腺が緩み今にも嗚咽がでそうな・・・人間愛があります。
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ビックコミック・オリジナルは愛読書です。
西岸良平作「三丁目の夕日」の心温まるストーリーはほのぼのとして心が洗われます。

昭和34年。
私は父の仕事で地方都市の県職住宅に住んでいました。
この時代は、どこの家庭にもテレビはなかったと思います・・・田舎ですから
昭和35年に父の勤務先に入ったことを知っています。
父が帰宅するとテレビの話をしてくれました。
大勢の方がテレビのある部屋に押しかけて黒山の人だかり。
力道山が出てくると拍手が起こりやんやの喝采を浴びたそうです。
それでも途切れ途切れの画面は砂嵐が酷く観るのもひと苦労だったとか・・・
母の言いつけで父の勤務する場所でのテレビはご法度でした。
個人宅でテレビはあるのは相当なお金持ちの家庭でしたので我が家には一生縁のない話だと母の口癖でした。

それでも、テレビが観たい・・・♪
当時の私は小学校の図書部に在籍していて放課後でも自由に職員室を出入りしていました・・・そうなんです。小学校の職員室にはテレビがありました。
校庭を横切れば目と鼻の先に職員室があります。
毎日、夕食を終えると弟を誘って走れば3分で行ける職員室に駆け込むんです。
すでに同じような考えを持った生徒達が4~5人集まっています。
先生は何も云いませんでしたね
当時の小学校には当直制度があり、毎晩生徒達が集まり、賑やかになって喜んでいたのかも知れないです。

事件記者、プロレス、バス通り裏、お笑い三人組、ジェスチャー、私は誰でしょう、
私の秘密、わんぱくデニス、名犬ラッシー、それは私です、若い季節 等を観ていたような気がします。
NHKと民放1局の限られた放映内容ですが、とても懐かしく思い出します。
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映画に話を戻すと・・・
吉岡秀隆は良いですね。存在感があります。それに薬師丸ひろ子は素晴らしいですね。あの情緒ある表情がフッと懐に入って行けるような広さを感じました。
『やっぱり猫が好き』でファンになりました、キンさん役のもたいまさこの道化役は観ていて安心感がありました。

漫画でも映画でも主役の一平くんは漫画と同じでしたね
想いを顔に現すことの出来ないシャイな一平くんです。
好きだった美加ちゃんと別れる時に美加ちゃんから
「大きくなったら、一平くんのお嫁さんになってあげるね」と・・・
キョトンとした一平くんの表情は演技だったのかな?


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そして、極めつけはタライで洗濯するシーンです。
寺子屋時代を思い出してしまいました。
寺子屋1年生の時は、日曜日ともなるとタライと洗濯板は必需品です。
先輩の目を盗んで洗濯をするんです。
でないと、洗濯しているところを見つかると先輩からのお土産がどっさりと届けられます。
これは成績が落ちて殴られる痛さより苦痛でした。

ハッピーエンドで終わったのか、どうか「続・三丁目の夕日」。
続々はあるのでしょうか・・・。

エンディングはBUMP OF CHICKEN・・・『花の名』。
歌詞字幕がついていて、読んでしまいました。
最後まで聴いて欲しい・・・観て欲しい・・・。

そんな感じがしました。

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